旅日記8

2011.02.14 ブエノスアイレス→イグアス(アルゼンチン側)

移動

いよいよ移動日。というか、ここからは2、3日毎に飛行機移動が続く。広いよ南米、基本移動は空の便。

早朝4:30起床。もうろうと準備をして5:30チェックアウト。今日はもうあの朝食が食べれません。私達の胃腸を元気にしてくれたあの変わり映えのないメニューがもう懐かしい。6日間お世話になったホテルにさようならありがとう。普通に快適でしたよ。あと、隙あらば部屋を掃除しようという意気込みがすばらしかったよ。

手配してもらった個人タクシー的なもの(タクシー表示がなかった。ホテルおかかえのものかもしれない)で国内線空港、通称アエロパルケへ。セントロからびゅんびゅん飛ばして15分足らずで到着。そしてまたお釣り分をチップとして徴収される。んーいいんだけどさ。面倒だから言わないけどさ。出来たら一回お釣り戻してもらってそれからチップ渡したいんだけど。高額紙幣しかないときどうすりゃいいの?

6:00に航空会社カウンターへ。めちゃ混み。ローカル線の表示がある列に一旦並ぶがどうにも進まない。周りを探索するとSELF CHECKINの端末があったのでこちらでチャレンジ。なぜなら荷物を預けないから。持ち込んじゃうから。異常に反応の悪いタッチパネルと格闘してチケットゲット。一安心で6:30。手荷物として許される大きさを実は割と超えているので早めからゲート前で待機。遅くなると入れられなくなるからね…。

10分遅れで搭乗始まったよーと思ったらバスへ乗せられる。ゲート目の前に止まっていたのは我らの乗る飛行機ではないのね…。早く飛行機に乗るはずが早くバスに乗っただけ。バスで滑走路周りを移動。働く車だらけでハアハアする。しかし荷物を運ぶ地上職員の働く率は2割。座ってマテ茶の回し飲みしてるぜ。健康もいいけど働こう、なあ。

はしごみたいな階段を登って新幹線一両くらいの飛行機に乗る。そして待たされる。機内アナウンス、客の落胆の声。ALLスペイン語だから全くわからん。お隣のラテンなおじさまに単語と身振りで聞くと「25分」と英語で言ってくれた。そんだけ待たされるってことねそうだよね。結局7:55発予定が8:40出発。思っていたよりは遅れなかった。

てかエンジン音ハンパねえ。20年物の軽自動車でベタ踏みしてるみたいな必死な音がしてる。がんばれ。まじがんばってくれ。んで私の隣の席がCA席に。遠足バスの補助席状態。え、そこ通路ふさいじゃうの?まあ離陸までの間だからいいのか。ここだけ4列シートなう。最終的に軽自動車10台分くらいの音と振動で離陸。前席の兄ちゃんもでかいハンドルをぐるぐる回すゼスチャーして笑ってる。バカにされる飛行機。

暇なので読めない機内誌をパラパラ…!!これはっ!!国立で見かけたにのあいカラーの芝刈り機*1の広告じゃないか!これ以上ない程にすてきなフォルムの働く車な上に、にのあいカラー。私の心をつかんで離さないこの子。冊子お持ち帰り決定。

そうこうしてるとスナックタイム。ブランケットはないが軽食は付く。格安航空会社と国際線の間くらいの位置づけかしら。ま、スナック開けたら全部甘いもんだったけどね。カステラ?、グラノーラバー、キャラメルって…あんまー。隣のおじさまも面喰らってたよ「OH!」って言ってたよ。友の隣のおばあちゃんは一瞬開けて黙って箱を閉じたらしい。そして二度と開けなかったらしい。

 

イグアス到着

結局30分遅れでイグアス空港到着。ミニサイズで可愛い空港。レンガ造りだしね。着いた瞬間から湿気ものすごい。ジャングルだもんね。世界遺産のある国立公園内にある空港ってすごいな。って合流したガイドさんに聞いたんだけどね。パッケージツアーじゃなくガイドさん付けたの初めて。ぜいたく。でも数時間後にはイグアス観光にも国境越えにもガイドさん絶対必要だわと思い知る。

空港から200mだけタクシーに乗り、すぐにガイドさんの車に乗換。なぜそんなめんどくさい事をするかというと、アルゼンチン側の空港にはブラジルの旅行者の車が入れないからなんだって。なのでアルゼンチンのタクシーを使わねばならない。じゃないとアルゼンチンの仕事がなくなるじゃん!て事らしい。なんだかね。日系ブラジル人3世のガイドさんの流暢な日本語を聞きながら早速イグアスの滝へ。チケット手配もなんもかもやっていただけて恐縮ですはい。慣れてないんですはい。ブエノスから時差1時間あるのでこの時点で多分12時くらい。


 

イグアスの滝

国立公園内でイグアスの滝を効率よく見るために、何時にトロッコがどこからでてボートクルーズは何時にどこ出発でこの道を行った方が近道でっていう数々の情報を持っているので、時間がたっぷりあるんでなければ絶対ガイドさん付けた方がいいと思う。公園内は広すぎる。

この日のルート トロッコで「悪魔の喉笛」Garganta del Diablo → 滝群の上の遊歩道 Upper Circuit → 滝下で水かぶる → 滝壺遊覧ボートツアー

まずイグアス見て思ったのは「水の色、茶色い…」赤土のせいなのね。天候によってかなり変わるそうな。昨日までの一週間、毎日雨が降ったので水かさも増しているそう。その割には水はキレイな方らしい、これでも。ひどい時はもっと泥水なんだって。この日、水量が多くてよかったのは…

  • 普段は地面が見えてる所も濁流で埋まってるレア感
  • 滝の勢いが増してる
  • ボートクルーズが出発地往復になる*2


  

悪魔の喉笛

ロッコを降りて遊歩道を1kmほど歩くと見えてくる白いけむり。もうもうと上がるこれが水しぶきだなんてな…。飛行機からも見えたんだけど、あんまり高い所まで上がってるから普通に煙なんだと思ってた…。

いやあああ、喉笛すごすぎ!!このすごさは言葉ではもちろん、写真でも動画でも伝えられない…と撮りながら思った。この迫力を体感するために30時間とウン十万かけても全然おしくない(わたし的には)。

キャラメルみたいな色の水が、岩に当って落ちるときに一瞬でいろんな色に変わる。白だったり明るい茶色になったり。しかも形が珊瑚礁みたいになるの。うまく言えないけど、色と形をどんどん変えながら文字通り奈落の底に落ちていって、今度は水しぶきになって煙のように上がってくる。滝よりずっと高い所まで上がるんだよ!?その煙が風向きや水の量で変わっていって、動いてるみたい。生き物みたいなの。アラジンのランプの煙とか、でっかーいオバケみたい。本当に食べられそうな気がする。ここが何で「悪魔の喉笛」って言うのか(調べちゃいないけど)すごい分かる。恐ろしいものに見えるのに、ずーっと目が離せない。三半規管がやられてくらくらしちゃって吸い込まれそうになるのに、まだまだ見ていたい。これは本当に本当にすごい。

風向きが悪いと展望エリアに水しぶきが来て10分もすればびしょ濡れになって「いやもういいです」って人が続出するらしいんだけど、今日は風向きがいい感じで、数十秒シャワーみたいに水しぶきが来ただけで、たっぷりずーっと見られた。ガイドさんがさすがに「もう次に行きましょう」って言いだすくらいまで見てた。しかも、あと少し水量が増えると展望エリアの通路が水に埋まっちゃうので喉笛には行けなくなるそうな。ラッキーだぞ!



 

滝群の上の遊歩道、滝下へ

次はガイドさんの言う「小さい滝」が沢山ある滝群へ。いや小さいって言っても喉笛に比べてってだけで実際デカイ。その「小さい滝」がずっと連なってるのが見える。その連なりの半ばくらいまで遊歩道で行けて滝の上から眺められる。ふと下を覗くと滝が落ちるあたりにも遊歩道があって、みんな水着でびしょ濡れてはしゃいでる。あれ、あれ…映画でチャン・チェンが水しぶき浴びてた所かなあ!「昼食抜きでいいんで!」と予定を変更してもらって浴びに行く。階段が多くても平気!観光ダイエット!

んで実際浴びてみたら…水の粒がでっかい!!シャワーとか雨のレベルじゃない。「ボートはもっとすごいですから。これ前菜レベルですよ」だって。ひゃっふー!


 

滝壺遊覧ボートツアー

これは絶対やりたんで!とずっと言ってて日本から予約してたもの。念願です。滝壺すれすれまで行くから全身ずぶ濡れ必至。

まずは数十人で屋根なしジープに乗ってボート乗り場へ向かう。20分くらいかな。痛いくらいの日差しの中、ツアーガイドのお姉さんがノンストップでイグアスとジャングルの説明。ごめん分からんしほとんど。ジープを降りたらさらに10分ほど山道を下ってボート乗り場へ。Tシャツ脱いだり支給される防水バッグへ荷物を詰める。待ってる間、知らない内に虫に刺されてて痛いし腫れてきたけど今それどころじゃないから!最後は救命胴衣を着せられて(こんな本気の初めて。完全に転覆仕様じゃん…)ボートへ乗り込む。い・よ・い・よ・で・す・よ!

はりきって最前列右サイドを確保。おっけー、船長、だしちゃってくれよ!ボートは予想以上のハイスピード。後でガイドさんに聞いたら、スピード出さないと川の流れに負けて流されちゃうらしい。そうか逆流して滝に向かうんだもんね。私達いま、産卵期の鮭みたいなものなのね。

いやしかし水面からの照り返しまじハンパない。でも帽子はもう防水バッグの中だよ。途中まで出してたカメラもそろそろしまうよ…そして…ボートが滝壺に向かって猛突進だよ…。

と思ったらバッシャーン!!

罰ゲームのバケツの水をそこらじゅうからぶっかけられたみたいな。もうすごすぎて笑うしかない。地球の裏側の滝壺で大爆笑。しかも水しぶきすごいから目も開けていられない。せっかく滝壺行くんだしお経でも唱えて邪念払おうかと思ってたんだけど全然まったくそれどころじゃない。びしょ濡れもいいところ。そして邪念は払えなかった残念。

滝の近くでは日が差せばすぐに虹がかかる。上から見ると自分より下に虹があって、しかも虹が透けて景色や人が見えるのがすごく不思議感覚。そんでボートツアーなら虹がほぼ自分の目線と同じ高さにかかってる。虹をくぐると幸せになるらしいが、水しぶきすごくて目を開けられなかったのでくぐれたかどうかは…。何にせよこんなに近くに虹が見られた(しかも端から端まで)のは生まれて初めて。

アルゼンチン側、ブラジル側、両方の滝でずぶ濡れになって、船長テクニックによる蛇行運転に盛り上がりつつ「やべーこれリアルジャングルクルーズやないか」と感動しつつボート乗り場へ戻る。あはは皆もう笑っちゃうくらい濡れネズミ。*3

いやしかし遠泳後みたいなこの疲れは一体…。30分のクルーズで水浴びたのだってほんの数分なのに。帰りのジープはぼんやりぐったり。しかし心は充実感。ほんと苦労してくる甲斐があるよ。そしてガイドさんと合流して出口へ。さよならイグアス、明日もよろしく。

実は飛行機でのお菓子以来、今日は何も食べてない。ここまで来たらもうホテル行ってからでいいや。もうパンツまでぐっしょりだもんよ。ボートはまじで水着必須だったな。持ってたのに車に置いてきちゃったんだあはは。


 

アルゼンチン→ブラジル国境越え

ガイドさんの車で国立公園を出て、出入国管理事務所へ。今日のホテルはブラジル側なので陸路での国境越え。これが現地ガイドをお願いするもう一つのメリット。自力で越えようとすると、まずバスでアルゼンチン側の事務所に行って一度降りて手続きをする。その間にバスは行ってしまうので、次のバスを待ってブラジル側の事務所へ。ここでもまたバスは行ってしまうので、手続きを終えたらまた次のバスを待つ。結局3台のバスを乗り継がなきゃいけないのでかなり時間がかかるそうな。これが旅行会社の車なら降りる必要もなくドライブスルー状態で手続きを受けられる。とっても楽チン。

ちなみに本当の国境は両国の間を流れるイグアス川の中心。橋の真ん中で壁のペイントがそれぞれの国旗カラーに変わるの。イグアス川は最終的にはブエノスアイレスまで流れるラプラタ川に名前を変えて、海に流れるんだって。すげーな自然。

19時にホテル到着。ガイドさんと明日の予定を確認してお別れ。お風呂入って近くのショッピングセンターで食事・買い物して就寝。

*1:http://d.hatena.ne.jp/arco_iris_b/20100820/1282324365

*2:いつもはA→Bの片道でB地点から歩いて戻らなきゃ行けないが、B地点が水で埋まっててボート停められないのでA地点まで戻ってジープで帰れる。しかもクルージングが通常より長く楽しめる。

*3:ちなみにブラジル側からのボートツアーではアルゼンチン側へは行けないらしい。入っちゃダメなんだって。ブラジルは許してるのに。空港タクシーと言い仲悪いの?アルゼンチンがケチなの?